ハートオブクラウン10周年を期に

こんにちは、ゲームデザイナーの深山です。
ハートオブクラウンシリーズのデザイナーとしては、随分なご無沙汰になります。

今回、久方ぶりの更新に至ったのは他でもありません。なんと、拙作ハートオブクラウンは、本日2021年6月12日を持ちまして、発売10周年を迎えるのです。

ハートオブクラウンは、自主流通のインディーズゲームとして出発しました。
ですが発売から10年を経て、ついに国内累計出荷数が5万個を越え、PCゲーム化、英訳版の発売など、身に余る大ヒットタイトルへと成長する事が出来たのです。
これほど長く、多くの方に遊んで頂いている状況は、まさに光栄の至りと言うほかありません。

この記念すべき日を迎えるに当たり、制作者として何か出来ないか?
節目の年として相応しい、何か新しい展開は用意出来ないだろうか?

そう考えた私は、一つの結論に思い至りました。
10年愛して頂けたハートオブクラウンならばこそ、この先の10年も皆様に遊んで頂けるような定番タイトルを目指すべきではないか、と。
つまり、より磨き上げたハートオブクラウン――ハートオブクラウンの第二版を制作しようと。

発売から10年経った現在、特にPCゲーム版の膨大なプレイログを得た今となっては、現状のゲームバランスに満足しているとは到底言えません。
手番順による有利不利の問題がありますし、個々のカードの強弱にも問題があります。これらゲームバランス上の問題を出来うる限り取り除く事は一番重要な課題です。

また、ルールについてもさらなる洗練が必要だと考えています。複雑な割に有効でない一部ルールを取り除き、よりシンプルにする事。そして、カードテキストやルールブックを、より分かりやすい文章へとリライトする事も重要です。

そして、入手困難になっている「姫君たちの幕間劇」への対応として、含まれていたカードの再録も行いたい所です。

以上のブラッシュアップを行った、まさに新生と呼ぶに相応しい「ハートオブクラウン」が、「ハートオブクラウン第二版」です。ご期待下さい。

新型コロナウイルスが猛威を振るっている難しい情勢下であり、発売日についての断言は難しいのですが、今秋を目処に、まずは基本セット第二版をと動いております。

さて「もう少し具体的な情報ないの?」という、皆様のご要望を予測して、想定問答形式で現在公開できる範囲の情報をお伝えいたしましょう。

Q「第二版が出るのは、基本セットのみ?」
A「いいえ。最初は基本セットからですが、今後は拡張セットの第二版も開発していきます。」

Q「旧版のカードと混ぜて遊べるの?」
A「遊べます。ただし、旧版の同名カードとの同時使用は出来ません。」

Q「イラストの刷新って、どの程度?」
A「プリンセスカードは全部、です。第一版のイラストレーター様に新たなイラストを描き下ろして頂いています。加えてコモンカードの一部も描き直されます。」

Q「手番ゲー問題、どう対応するの?」
A「三番手と四番手は、初期デッキの一部が新規カードと交換されるようになります。これにより後手番の不利が緩和されます。待て詳報。」

Q「複雑な割に有効でない一部ルールって何よ?」
A「口を濁さずに明言しましょう。防衛カードは完全に廃止されます。防衛カードはフェアリーガーデン以降に廃止されていましたが、基本セットには残ったままでした。「城壁」などの防衛カードは、リカバリー効果を持つ行動カードとしてリメイクされます。」

Q「バランス修正されるカードってどれ?」
A「大きいところでは『双子の姫 レイン&シオン』です。このカードは、汎用性と勝率が高すぎ、他のプリンセスの擁立に悪影響を与えるデザインとなっていました。その為、エクストラターンというコンセプトは維持しつつも、大幅に修正されます。他にも「御用商人」とか「図書館」とか「斥候」とかエトセトラ、エトセトラ……」

Q「新規のコモンカードはある?」
A「あります。数種のコモンカードが、完全に新規のカードと置き換わります。ほとんどのカードはそのままの形で再録されますが、いくつかのカードはリメイクされます。」

Q「新規のプリンセスカードはある?」
A「新規ではありませんが、「極東の算法姫 オウカ」に関しては、若干の修正の上、基本セットに含まれるようになります。」(調整が難航した為、基本セットへの収録は見送られました。)
A「ありません。」

Q「今後、完全新規の拡張セットはある?」
A「時期については明言できませんが、計画しております。」

Q「『ハートオブクラウンPC』」の方には動きはないの?」
A「あります。リンク先にて告知予定ですよ。こちらも大いにご期待下さい